2024年12月の記事一覧
2024年12月 植物の冬の過ごし方
12月25日から学校が冬休みになりました。2学期には文化祭や校外学習など学校行事も色々とありました。暑かった9月が嘘のように日に日に寒くなってきました。12月20日の朝には、通勤の途中で秩父の山々が薄っすらと白くなっているのがきれいに見えました。冠雪です。県内の平野部でも初雪が観測されています。生徒の皆さんは通学が大変な季節になりました。
下小鹿野からの両神山 12月20日撮影
植物にとっても冬は厳しい季節です。植物は生育に適さない時期をどう過ごすかは、その地域の気候にあったものになる傾向があります。同じ属の種類でも温暖な地域の種と冷涼な地域に生育する種では、生活の仕方が違うこともあるのです。このことから生活の仕方は、適応であることがわかります。植物の適応の仕方は、冬の時期につくる芽の位置など、生育に適さない時期の過ごし方に注目して分類されたラウンケルの生活形がよく知られています。その中から学校で見られる植物の生活形をあげてみます。
冬芽(休眠芽)の位置が地表から明らかに離れている地上植物は、落葉性のイチョウや常緑性のモミなど、多くの場合は木になる植物をイメージすれば良いと思います。
学校に植えてある常緑のシラカシの冬芽
赤い冬芽が目立つ落葉性のドウダンツツジ
地上植物より冬芽が低く、地面より高いものは、地表植物といい、高山などに生育する低木や、草本でも茎が冬も残り、そこに芽が着く植物が、地表植物になります。
茎に冬芽ができているキク
セイヨウタンポポのように地表面に冬芽をつくるものは、半地中植物と言います。
自転車置き場の近くに生えている外来のタンポポと思われる個体
テッポウユリのように地中に休眠芽をつくるものは、地中植物です。球根がある植物は地中植物です。また、アサガオのように本体を枯らして種子で冬を過ごす植物もあり、一年生植物という生活形です。
植物は、乾燥と低温への適応しながら形を変えてきたと考えられます。例えば生育に適さない時期を過ごすとき、落葉したり、からだが小さかったり、種子で過ごしたりと様々な適応をしていることがわかります。そうすると、一年生植物は徹底した省エネをしていることになり、進化しているように思えます。そんなことを考えて外に出ると、庭の植物も今までと違って見えるかもしれません。