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竹あかりの「タケ」

 先日、たけのこご飯を食べました。たけのこは春の味覚などといわれますが、とてもおいしいですね。たけのこは、タケの新芽です。1日で数10cmといった驚異的な成長をします。今回はタケについてのお話です。

 さて、生物学の分野では、生きものの名まえを日本語で書く場合は、カタカナで表記することになっています。その場合、竹はタケとなります。タケはイネ科の植物で、木と草の性質をあわせ持っています。タケは硬く大きく育ち、竹林ができるほどです。これは木の性質に近いといえます。また、先日のニュースで植物園のタケが開花したと報道がありました。60年とか120年に一度咲くなど言われています。花が咲くと枯れる種類もあり、一生で1回のみ花が咲くことから草の性質に近いといわれます。このようなことから、タケは木か草かという話になると、タケは木でも草でもない、タケはタケとなります。

 ところで、竹といえば皆さんは何を思い浮かべますか? 春の味覚、たけのこでしょうか、タケはざるの材料にもなります。秩父地域ではそばが作られています。ざるそばを思い浮かべる人もいるかもしれません。

 また、文学に興味がある人は古典の「竹取物語」を思い浮かべるかもしれません。かぐや姫のお話と言えば知らない人は少ないと思います。「竹取物語」は、平安時代にできた日本最古の物語と言われているようです。竹から生まれたかぐや姫が美しく成長し、様々な人から求婚されるが断り、最後は月に帰っていくというお話ですね。

 タケに入っていることを考えると節と節の間にある程度の大きさが必要です。中国やインドシナなどに生育するダイマチクという種類のタケが植物園に植えてあることがあります。これは、節と節の間が60cm、稈(かん ※樹木で幹にあたる部分をイネ科では稈という)の直径が30cm、高さが30mにもなるような世界最大のタケです。そんな大きなタケならば、それこそ生まれた赤子が中に入ってしまうほどです。

 一方で、日本の神話「古事記」や「日本書紀」に「すくなひこなのみこと」というとても小さい神様があります。「古事記」や「日本書紀」のお話から推測すると体長は数cmです。これなら日本のタケでも十分に入ることができる大きさといえます。

 大きいタケと小さいタケ、どちらのタケがモデルだったのでしょうか?インターネットのサイトを検索すると竹取物語と似たような話は中国にもあるようです。タケのなかまはアジアに広く分布しています。ますますわからなく、昔から気になっていることです。

 さて、小鹿野高校では小鹿野町と連携して竹あかりという素敵な取組を行っています。下の写真は、竹あかり同好会の生徒たちが作った竹あかりです。竹あかり同好会に入っていない人もぜひ注目してください。